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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 頁
この者親の身代を鼻にかけどこへ行っても若旦那で通るのをよい事にして威張る癖があり同門の子弟を店の番頭手代並みに心得見下す風があったので春琴も心中面白くなかったけれども、そこは例の附け届けを十分にたっぷり薬を利かしてあるので断りもならず精々如才なく扱っていた。しかるにさすがのお師匠さんも己には一目置いているなどと云い触らし殊に佐助を軽蔑して彼の代稽古を嫌いお師匠さんの教授でなければ治まらずだんだん増長する様子に春琴も癇癖を募らせていたところ父親九兵衛が老後の用意に天下茶屋の閑静な場所を選び葛家葺の隠居所を建て十数株の梅の古木を庭園に取り込んであったがある年の如月にここで梅見の宴を催し、春琴を招いたことがあった。総大将は若旦那の利太郎それに幇間芸者等の末社が加わり春琴には佐助が附き添って行ったこと云うまでもない佐助はその日利太郎始め末社からちょいちょい杯をさされるので大いに当惑した近頃師匠の晩酌の相手をして少しばかり手が上ったけれども余り行ける口でなかったしよそへ行っては師匠の許可がない限り一滴といえども飲むことを禁ぜられていたし酔っては肝腎の手曳きの役が忽諸になるから飲む