輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ゆだんたいてき

ゆだん大敵

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《ゆだん大敵(ゆだんたいてき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,664 字 · 41 頁

青空文庫

八

「ゆるす、それへまいれ」

忠辰は上段の際を示してそう云った。

「……ゆるす」

久之助は老臣たちに会釈して御前間近に座を進めた。

「あれに淵田主税助という者がいる」

忠辰は下座の男を見やって云った。

「……梶岡伊織をたよって当家へ仕えたいと申す、神道流の武芸者で、尾州家御前でも手練をごらんに入れたということだ、今ここで余にも見せたいと申すが、相手に出すべき者をそのほう選ぶがよい」

「……相手が要るのでございますか」

「然るべき者をと望んでおる、誰でもよい、そのほうがこれと認める者を出せ」

八

久之助はちょっと考えていた。そして、少しむずかしいかも知れませんがと云って、家中でも小野派の達者として知られた福島弥六の名をあげた。

「……弥六でよいか」

忠辰は念を押してから呼びに遣った。

福島弥六はすぐに伺候した、そして旨を聞くとよろこんでお受けをし、武芸者と共に庭へおりていった。淵田となのる武芸者はそのまま木剣を右手に位置へ立った、汗止もせず襷も掛けず、袴の股立もとらなかった、それが美男の風貌とよく似合って、なにか絵にでも描いたような水際だった印象を与えた。

……弥六はじゅうぶんに身支度をした、いちど緊めた汗止を、二度まできっちり緊め直しさえした、それからやおら位置について武芸者と相対した。