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したやそうわ
下谷叢話
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《下谷叢話(したやそうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,971 字 · 246 頁
これに由って見れば毅堂は七草の夕にも、松塘の家にいたのである。あたかもこの時江戸においては正月より二月の末に至る間、北の町奉行所では『聖武記採要』の件についてその著者なる毅堂を召喚すること再三に及んだが、その行衛がわからぬので遂に同書の板刻をなした者を過料に処した事は前章に述べた如くである。
毅堂は春より秋も半に至る頃まで松塘の家に寄寓しそのあたりの名所古蹟を見歩いていた。「鋸山ニ登ル。」の作に「我来正逢清秋月。錦嚢将補前遊欠。」〔我来リテ正ニ逢フ清秋ノ月/錦嚢将ニ補ハントス前遊ノ欠ヲ〕の句がある。毅堂は二年前嘉永二年の秋始て房州に遊んだことがあるが、その時には鋸山には登らなかったものと思われる。
鈴木松塘がその最初の集なる『松塘詩鈔』を刻したのはこの年の夏六月で、丁度毅堂がその家に寄寓していた時である。毅堂は「鈴木彦之新刻ノ詩集ヲ読ム。」と題する絶句三首をつくっている。
この月のはじめに毅堂は江戸から意外なる書信に接した。それは尾張一ノ宮にいた旧友森春濤が突然江戸に来ている事を知ったことである。佐藤六石氏の『春濤先生逸事談』に毅堂が春濤の書に答えた手紙が採録されている。