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したやそうわ

下谷叢話

永井 荷風

線上閱讀永井 荷風《下谷叢話(したやそうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,971 字 · 246 頁

青空文庫

第十二

益斎が江戸滞在の日数は詳でない。

益斎の病症もまたこれを審にしない。しかし天保十三年十月八日に近村の栽松寺に催された詩会に赴いたことが『春濤詩鈔』に見えているから長く病んでいたのではないらしい。妻磯貝氏ていとの間に二男一女を挙げている。伯は毅堂文郁で、この年十八歳である。女児某は後に小塚利蔵という人に嫁した。明治大正の交大阪の実業界に名を知られていた小塚正一郎は利蔵の男である。叔光恭はこの年十歳である。

第十二

天保十四年癸卯五月四日大沼枕山は岡本黄石に招かれて湯島の松琴楼に飲んだ。黄石名は迪、字は吉甫、通称を半介という。井伊掃部頭直亮の家に仕えた老臣で、詩を星巌に学んでいた。この日枕山と同じく招がれた賓客は梁川星巌、大槻磐渓、森田梅※、鈴木松塘、西島秋航、竹内雲濤の諸家であった。枕山が席上の作中に「分襟在近意逾親。」〔分襟近クニ在リテ意逾イヨ親シム〕また「預想明年重晤日。」〔預メ想フ明年重晤ノ日ヲ〕の語を見る。井伊家の出府と帰国の期日は毎年五月の定めであるから、黄石はこの日詩文の友を招いで別筵を張ったものと思われる。井伊掃部頭直亮は三年前天保十二年五月の役替に大老職を罷めたのである。