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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

だがそれにも拘らず又、文化運動が断片的には政治活動から比較的な独立を有っているということも忘れてはならぬ。特にファシズム反対という否定的な側面から概括的に包括して行く形の政治活動である人民戦線に際しては、文化運動は特にその独立性のモメントをそれだけ強く有つことが許されるわけだ。元来、人民戦線という政治活動に対応すべき文化活動(戦線の一翼としての又その同伴活動としての)の形態は、少なくとも外郭から見る限り文化的自由主義であり、それが最近ヒューマニズムとも呼ばれているものだが(ヒューマニズムというものの意味を批判し限定することが併し大切だが)、この文化的自由主義の一つの特色は、それが政治活動から比較的独立に、独自の活動の形を以て、間接に政治活動に参加又は同伴するということにある。して見ると人民戦線的文化活動は、人民戦線の政治的成立に先立っても、相当の程度に、人民戦線的意義を有つことが出来ると云わねばならぬ。プロレタリアの党のないところに、プロレタリアの乃至プロレタリアの党の文化はあり得ない、というような場合と、多少話が違うのである。

こう考えて来ると、現在多少とも自由主義的又進歩的であろうと心がけている今日の各種の文化運動は、無意識ながら或る程度まで人民戦線的文化運動の意味を客観的には有っていなくはないので