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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

だが日本で人民戦線というのは、群小諸政党の最低綱領による反ファッショ的共同戦線というようなことを意味するより先に、とに角人民の反ファッショ的戦線の成立ということを意味するだけで、立派に意義があるのだということを注意せねばならぬ。とに角といわねばならぬ程、日本における特有なファシズムの攻勢は急迫しているのである。之が日本型ファシズムの「特殊事情」であり、従って之に対抗するだろうものとしての日本型人民戦線の特殊事情なのだ。いって見れば之はより未展開なその意味でより一般的な形における反ファッショ運動なのである。だが夫が人民の反ファッショ戦線という意味で、依然として一般的に人民戦線と呼ばれる権利があるわけで、それであればこそフランスやスペインのより限定された形態の人民戦線の動きから、力強い暗示も受け取ることが出来たのだ。人民戦線という言葉を外国から学んだからと云って、人民戦線論がジャーナリストの外来思想受け売りの類だと見るのは、一種アメリカ帰り式な世界観ではないだろうか。

日本の人民戦線は今云ったように、より一般的な形態を有っているのだから、例えば社会大衆党のただ一党を以てしても、と云うのは即ち、社大党以外の大衆的政党の存在や又は既成ブルジョア政党の大量的小分派への分裂などを俟つことなしにも、立派に人民戦線的