輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

というのは、民衆説は何等かの人民戦線説とは正反対なものを指すのである。文学用語としての人民も亦、政治的用語としての人民とは無関係なものであるらしい。こうした文学的用語で行くと、民衆とはロマンティックなヒューマニストのことであったり、人民とは女出入りなどにかまけている庶民のことであったりするようだ。

民衆が政治的自主性を有たないということは、日本の民衆の事情であり条件である。だが条件にはおのずから限界があるものだ。条件そのものが変化しなければならぬような限界に逢着することは、決して不可能ではない。日本の民衆というこの非政治的な瓦斯も、シリンダー内の圧迫行程に於ては必ず点火点に達することが出来る。条件は単に常温常圧の場合にしか保たれない。――処が文学的用語としての民衆なるカテゴリーは、日本の民衆のこの条件を変化することを決して肯んじない。日本の民衆をして今日の条件の下に永久たらしめよ、ただその条件の限界内で出来る限り之に親切になれ、革新してやれ、そういうのがこの民衆説だ。否この民衆説は実は人民という言葉さえ気が引けて思い切って使うことが出来ない。前の潮内相などは人民という言葉を大変嫌ったものだから。