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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

でこの連中の理論は、少なくとも曲りなりにも、この批評家達の理論と共通な理論性を有っているから、その批判も直接に、他流仕合でなく、片がつくわけである。之は最も手近かな取り扱い易い――なぜならそれだけ合理的な――反動理論だ。

処が権藤氏などの文章になると、その理論(?)の構成法が何であるか無いかよりも先に、思考の要素である範疇それ自身が、全く欧州離れをしているだろう。大化改新以後に於ける仏教的(一般に印度的)範疇や徳川幕府成立以後に於ける儒教的(一般に支那的)範疇やの適用に反対して、国学は国史認識に於ける国学的・日本的・範疇の適用を主張する。それなりに発達してはいるが質的には依然として原始的である処の、云わばこのトーテム的範疇は、電車が動き飛行機が飛ぶ処の(欧州的な)自然科学的・技術的・範疇と、何の縁もないことは、不思議ではない。然るに、この欧州的な技術的範疇は日本的な道徳・習俗・の範疇と、継ぎ穂されざるを得ない。日本帝国乃至日本国民の生命線を守るためには、重爆撃機や重砲が技術的範疇に従って機能して呉れなくては困るだろう。ここに初めて、この系譜を異にする二群の範疇の不合理な接合に於て初めて、一般にこの種の――国粋的――反動理論が成立する。