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せかいのいっかんとしてのにほん
世界の一環としての日本
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁
なぜならこの要素的ヒューマニズムそのものが、要素的に又云わば元素的に、いつでも同じものだとは断じることが出来ないからである。尤も予め各種のヒューマニズムから一般的共通的な処だけを取り出して、之を要素的ヒューマニズムと名づけることは、一向さしつかえのないことであるが、併し逆に、そういう要素的ヒューマニズムが色々の歴史的社会的形態を受け取るのだという還相的な説明になると、それは一つの仮定を出ない。吾々はこうした場合、ノミナリズムの真理を忘れてはならないだろう。
要素的ヒューマニズム自身が、つまりもしヒューマニズムをそういう元素の形で取り出せるならそのヒューマニズムの元素自身が、決して単数のものではないだろう。例えばルネサンス的ヒューマニズムは一つの元素であって、之はルネサンス以来のブルジョア社会(欧米の)に於て色々の歴史的形態を取って現われている。古典復興――之はキケロに従って古典的教養が唯一の人間的価値と考える、ブルジョア文人的ヒューマニズム(ローマ的な「名声」―― fama ――による芸術家生活の経済的保証に立脚する)、其の他其の他のイタリア的な形態を初めとして、トルストイ的人道主義の変種に至るまでは、一束にして、ヒューマニズムの一元素と考えることが出来るだろう。