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せかいのいっかんとしてのにほん
世界の一環としての日本
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁
特にこうしたものが、少なくとも社会思想や政治理論として、どの程度にナンセンスであるかという批判については、一応このことは世間がよく知っていることであって、今更私の説明をまつまでもないだろう。ただ問題は、このイデオロギーがその一半は今日特に日本の官僚(新官僚と呼ばれる)の所有物だという処にあり、そして之が又所謂新官僚の唯一の存在理由をなしているという点にあるのである。
普通新官僚と呼ばれているものは、主として内務省畑の官吏群の一部(夫に司法省・外務省のも加えて)であり、従って文官にぞくするもののことであるが、併し片手落ちなく云えば、武官であってもその急進的な分子は、丁度文官新官僚が旧官僚に対して占めると同様な内部的地位を他の武官群に対して持っている。ここにも一種の新官僚があるのである。ただ武官群(即ち軍部だが)が全体としてとも角、直接統帥の大権に基く武断的命令系統をもっているために、この急進的な分子とそうでない分子との内部的対立は、全く内部的なものに止まっていて、外部にはその対立の結果を産み出さない建前なので、文官における新官僚群ほどに独自の行動単位の姿を取っては、世間の眼の前に現われないまでなのだ。