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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《世界の一環としての日本(せかいのいっかんとしてのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,338 字 · 422 頁

青空文庫

軍部にとって何より必要なのは、この国防予算の実施なのだ、社会万端の体系は、之を公理としてその上に組み立てられねばならぬ。それが日本の資本主義の生活の必要なのだ。逆に社会の既成条件を保守することから、国防予算を割り出すべきではないのだ。そういうのが所謂、準戦時経済体制(社会体制)ということだ。ところが事実上、之に反対しているものは、正に既成政党である。そこで軍部が憎むものは、資本ではなくて専ら政党だということになる。悪いのは資本主義ではなくて自由主義だということになる。

だが所謂、自由主義とは、云わば自由主義時代の資本主義の政治機構とそのイデオロギーだ。この時期に成立した既成政党は、資本家地主の政党であるに拘らず、金融資本独裁乃至独占資本強化の体系の下に於ても、この自由主義をすてることの出来ない理由があることは勿論だ。そこで既成政党が従来の既成政党として止まるためには、何と云っても準戦時体制としての強力統制経済に反対せざるを得ず、従って又、その枢軸である国防予算を「検討」するポーズを取らざるを得なくなる。だが政党人も、資本主義日本の日本人であるから、無下に国防予算の膨大さに反対する口実を見出すことは出来ぬ。