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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 179,458 字 · 363 頁
その大きさは前に見たと同様である。そこで、なにげなく店に着くと、三娘子は相変らず彼を歓待した。
その晩は他に相客がなかったので、主婦はいよいよ彼を丁寧に取扱った。夜がふけてから何か御用はないかとたずねたので、趙は言った。
「あしたの朝出発のときに、点心を頼みます……」
「はい、はい。間違いなく……。どうぞごゆるりとおやすみください」
こう言って、彼女は去った。
夜なかに趙はそっと窺うと、彼女は先夜と同じことを繰り返していた。夜があけると、彼女は果物と、焼餅数枚を皿に盛って持ち出した。それから何かを取りに行った隙をみて、趙は自分の用意して来た焼餅一枚を取り出して、皿にある焼餅一枚と掏り換えて置いた。そうして、三娘子を油断させるために、自分の焼餅を食って見せたのである。
いざ出発というときに、彼は三娘子に言った。
「実はわたしも焼餅を持っています。一つたべて見ませんか」
取り出したのはさきに掏りかえて置いた三娘子の餅である。
彼女は礼をいって口に入れると、忽ちにいなないて驢馬に変じた。それはなかなか壮健な馬であるので、趙はそれに乗って出た。ついでにかの木人と木牛も取って来たが、その術を知らないので、それを用いることが出来なかった。