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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 179,458 字 · 363 頁
夫は酔っていて、なんにも知らないのであった。
しかし妻の里方では承知しない。呉が妻を殴ち殺したといって告訴に及んだが、この訴訟事件は年を経ても解決せず、州郡の役人らにも処決することが出来ないので、遂に上聞に達することになって、呉を牢獄につないで朝廷の沙汰を待っていた。
呉の親族らはそれを聞いて懼れた。上聞に達する上は必ず公然の処刑を受けるに相違ない。そうなっては一族全体の恥辱であるというので、差し入れの食物のうちにかの※(「魚+侯」、第3水準1-94-45)※(「魚+夷」、第3水準1-94-41)魚の生き鱠を入れて送った。呉がそれを食って獄中で自滅するように計ったのである。しかも呉はそれを食っても平気であった。親族らはしばしばこの手を用いたが、遂に彼を斃すことが出来なかったのみか、却ってますます元気を増したように見えた。
そのうちにあたかも大赦に逢って、呉は赦されて家に帰った。その後も子孫繁昌して、彼は八十歳までも長命して天寿をまっとうした。この魚はなま煎えを食ってさえも死ぬというのに、生のままでしばしば食っても遂に害がなかったのは、やはり一種の天命というのであろうか。