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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 179,458 字 · 363 頁
何がなんだか判らないが、孟は張に別れて早々にここを出発した。まだ明け切らない路を急いで、およそ五、六里も行ったかと思うと、人殺しの賊を捕えるといって、役人どもが立ち騒いでいるのを見た。その子細を聞きただすと、※(「さんずい+「緇」のつくり」、第3水準1-86-81)青の評事の役を勤める張という人が殺されたというのである。孟はおどろいて更に詳しく聞き合わせると、賊に殺されたと言っているけれども、張が実際の死にざまは頗る奇怪なものであった。
孟がひと足さきに出たあとで、張の供の者どもは、出発の用意を整えて、主人と共に駅舎を出た。あかつきはまだ暗い。途中で気がついてみると、馬上の主人はいつか行くえ不明になって、馬ばかり残っているのである。さあ大騒ぎになって、再び駅舎へ引っ返して詮議すると、西の部屋に白骨が見いだされた。肉もない、血も流れていない。ただそのそばに残っていた靴の一足によって、それが張の遺骨であることを知り得たに過ぎなかった。
こうしてみると、それが普通の賊の仕業でないことは判り切っていた。駅の役人も役目の表として賊を捕えるなどと騒ぎ立てているものの、孟にむかって窃かにこんなことを洩らした。