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いぎょ

中谷宇吉郎集 第七巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第七巻(いぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,841 字 · 111 頁

青空文庫

そして稀れにではあるが、その水の底に、真黒な太い丸太が数本ころがっているのに気がつく。妙な丸太だと思って、よく注意して見ると、それが巨大な魚なのである。この土地の住民たちは、時々こういう異変に会って、おどろくことがあるそうである。中には、銛を探しだすべく、村へ駈け戻っていく男もある。

この男が銛をもって、旧のところへ帰ってくるまでには、相当の時間がかかる。しかし帰ってみると、鰐ガールどもは依然として、旧の場所に、六尺の巨体を横たえたままの姿でいる。この古代魚たちにとっては、時間の単位が、人間などとは、全くちがっているのである。かの男は、とどろく胸をおさえてしっかりと狙いをつけ、満身の力をこめて、そのうち最も大きい奴に銛をうちつける。第一回は失敗。魚でなくて、石に銛をぶちつけたらしく、刃先を調べてみると、少し傷んでいる。しかし、幸いなことには、魚はまだ逃げていない。いま一度試みる。今度もまた駄目である。二三度そういうことを繰り返しているうちに、その男は、さっきから数回銛をぶちつけていたのは、石ではなくて、鰐ガールそのものであったことに気がつく。全身をおおっている堅い鱗が、銛をはね返していたのである。