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いぎょ

中谷宇吉郎集 第七巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第七巻(いぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,841 字 · 111 頁

青空文庫

若き日の思い出

私の中学時代は、大正の初めごろであって、明治時代の先生方とくらべたら、だいぶ文明開化になっていた。しかし郷里が北陸の片田舎であり、中学があった小松の町も当時はまだ小さい町であった。それで中学時代のことをいまから思い出してみると、ずいぶん旧式な教育をうけたものだという気がする。

中学の五年間は、完全に寄宿舎生活をした。その寄宿舎生活で、いま頭に一番残っていることは食事がまずかったことである。一月の寄宿料が六円であったのだから、無理もない話である。もっとも昔の話の例として、よく米が一升何銭だったというような話がでるが、それほどの昔ではない。第一次大戦がちょうど私の中学時代にあったので、もう相当物価も上がっていた時代である。

それに寄宿生も多ければ、まだ何とか融通もつくのであるが、全部で四十人ぐらいしかいなかった。それでも賄夫をふたりやとってその月給も、寄宿料の中から払っていたのであるから、食事が粗末になるのも当然であった。

飯は四分六の麦飯であって、それがたんつぼのような白い陶器の器に盛り切りである。朝はみそ汁だけ、それも塩を半分入れた薄い汁である。