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いぎょ
中谷宇吉郎集 第七巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第七巻(いぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,841 字 · 111 頁
この話は、当時の日本の新聞にも出ていたので、記憶に残っている方もかなりあるであろう。もっともあまりにも突飛な話なので、たいていの人は、法螺話か新聞記事のデマとして、気にも止めず、読み棄てられたにちがいない。しかし今から考えてみれば、ヒットラーが、大真面目にこの問題をとり上げたとしても、ちっとも可笑しくないのである。というのは、現在アメリカで、一部の人たちの間ではあるが、本気で人工衛星のことを考えているのは、けっきょく第二次大戦中に独逸で発明されたV2号ロケットの改良の問題に帰するわけである。
それならば、ヒットラーが、V2号の完成に引きつづいて、人工衛星の問題に着眼したとしても、何も不思議ではない。むしろきわめて自然な経過であり、且つ頭も良かったといっていいであろう。というのは、もし人工衛星がヒットラーの夢想どおりに、本当に出来たと仮定したら、独逸は戦争に敗けなくてすんだからである。逆にアメリカも、イギリスも、ヒットラーの膝の下に屈しなければならなかったであろう。
もっとも、これは非常な大事業であって、そう急にはどうにもならない。現在のアメリカの科学力及び工業力を総動員し、且つ今日のアメリカがもっている金の力を、ほとんど無制限に注ぎ込んだとしても、少くも十年はかかるであろうと、一部の専門家たちは言っている