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いぎょ
中谷宇吉郎集 第七巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第七巻(いぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,841 字 · 111 頁
予報の問題自身は別として、その会話の中に、一寸面白い一節があった。それは、気象台の施設や予算についての話に引き続いて「気象学がもっと進歩したら、台風の予報は、今よりも精確に出来ましょうか」という質問があったことである。
もちろんこれは軽い意味での会話のつなぎであるが、ただ一寸面白く感ぜられたことは、こういう質問は、日本以外では、どこの国でもきけないであろうと思われる点であった。私は「それは進歩という言葉の定義の問題で、アメリカ流にいえば、台風の予報に役立たなかったら、それは気象学の進歩ではなく、退歩というふうになりましょう。ソ連流にいっても、多分同じでしょう」と答えておいた。
それきり忘れていたのであるが、今度の洞爺丸事件について、又天気予報が一部で問題になった。その時或る新聞に、気象台はあまり学究的に過ぎるという議論が出ていたので、思い出したわけである。台風十五号の時にも、予報が完全とはいえなかったが、それは「学究的に過ぎた」からではなく、過ぎなかったからである。即ち台風の機巧に、未だわれわれに知られていない要素があったために、局地的な現象、たとえば津軽海峡に出現した予想外の突風の予報までは、力が及ばなかったのである。