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いぎょ

中谷宇吉郎集 第七巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第七巻(いぎょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,841 字 · 111 頁

青空文庫

差出人は、大阪毎日新聞社のO氏の名前になっていたが、O氏からは、この金は私から出すものではなく、単に送金の世話をしているだけだから、礼状は要らない、と断って来た。そして封筒の中には、毎回印刷した受領書がはいっていた。それに署名してO氏のところへ送るだけでよいのである。

そういうことが、一年近く続いた後、或る月から、差出人が、鳥井信治郎という名前に変った。そして今後の受領書は、私の方へ送ってくれと書き添えてあった。その頃は鳥井さんの名前は全然知らなかったので、同じ新聞社の他の人が、この世話をすることになったのだろうくらいに、簡単に考えていた。

ところが大学の二年になった年の九月、関東の大震災に遭った。大学へはいると同時に、母たちも下宿へ移って来ていたが、その家は全焼、持ち出した荷物もほとんど焼いて、風呂敷包み二つくらいになってしまった。大学も震災を受けて、当分開講の見込みもなかった。それでいったん郷里に帰ることになって、途中大阪の友人の家にしばらく足を停めた。

東京を立つ前に、いろいろな流言蜚語がとんでいた。関西にも被害があり、それに帝都の全滅で、関西の実業界も間接の大損害を受け日本の実業界は、当分立ち直ることが出来ないだろう、という風説が伝わっていた。