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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《剣侠受難(けんきょうじゅなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,479 字 · 394 頁
そのつきあたりに別棟があり、コロンコロンというかすかな音が、たまでもころばすように聞こえてきた。
「どうやら人間がいるらしい」心でつぶやくと早引忠三、大胆にもそっちへはって行った。ふすまがピッタリとしめられている。ふすまの奥は空部屋で、そのまた奥に部屋があり、そこに人がいるらしい。「かまうものか、押し込んでやれ」益※(二の字点、1-2-22)大胆になった早引忠三、ソロソロとふすまを引きあけた。思ったとおり空部屋で、その向こうに部屋があり、さかいのふすまが閉じられていた。
「将軍塚と申すので、南北朝時代の武将などの、遺物があると思いましたところ、曲玉管玉が出ようとは、ちと意外でございましたなあ」こういう声が聞こえてきた。老人の声で威厳がある。だが不思議にも言葉の音が、純粋の日本の音でない。
「はてな?」と忠三首をかしげた。「異国の人間に相違ない」
その時別の声が聞こえて来た。「不遇な楠氏の末胤でも、葬られているかと存じましたところ、いかにも先生の仰せられるとおり、神代遺物が出て来ようとは、いささか意外でございました」それは少年の声であった。いかにも清らかで美しい。