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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁

青空文庫

と、とつぜんすうっと身体が軽くなった。今までおどり狂っていた全身の骨片がぴたりとしずまった。あやしげな不気味が、夕立の後で雲が風に吹きとばされてしまったように、なくなった。身体が急に軽くなった。

「ああ、苦しかった」

道夫は、ぱっと眼を開いた。

「あらあら、あたしが命令しないのに、眼をあいてしまったのね」

と、雪子がいった。雪子は道夫のうしろからあらわれ、前にきた。

「雪子姉さんは、後からぼくをかかえていたんでしょう」

「ほら、きいてはいけないといったでしょう。そんなことは……」雪子はそういって、やさしく道夫をにらんだ。

「さあ、お話があるから、その椅子に腰をおかけなさい」

そういわれて、道夫は気がつき、あたりをじろじろ見まわした。彼の顔に、大きなおどろきの色があらわれた。

「おや、どこだと思ったら、ここは雪子姉さんの研究室だ」

いつの間にか、雪子の研究室へきていたのだ。病院からここまで、最短距離でいっても二十キロメートル近くあろう。その間を道夫は、どうしてここまできたのであろうか。どの道を通ってきたのであろうか。時間にしてものの十秒とかからなかったと思うのである。