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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁
手首から胸の方へ、あなたの手を移動していってごらんなさい」
雪子に命ぜられると、なぜか道夫はそれにしたがわないではいられなかった。気持の悪いのを一所けんめいにこらえて、道夫は雪子の手首をそろそろと腕の方へとなであげていった。するとまもなく道夫は大きなおどろきにぶつかって気が遠くなりかけた。というわけは、雪子の手首がそのすぐ上のところで手ざわりがなくなっているのだった。
そのくせ、眼で見ると、雪子の手は、手首から腕へ、腕から肩へとちゃんと続いていたのである。さわってみて、手首しかない。眼で見ると手首から上はちゃんとしている。なんという気味のわるいことであろう。気味わるさは、その切りはなされたような手首が、道夫の両手の中でもぞもぞ動きだしたときには絶頂に達した。道夫はとうとう本当に気絶してしまった。
それからどのくらいの時間がたったか分らないが、道夫が気がついたときには、彼は机にうつ伏せになり、そして雪子の幽霊が彼のまわりをうろうろ走りまわっているのを発見した。
道夫が気がついたのを見た雪子の幽霊は、たいへんよろこんだ。
「道夫さん。しっかりしてよ。そんなに気が弱くてはだめね」