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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁

青空文庫

今日になって改めてむしかえすのは面白くない。僕はちゃんと賭けているのですからね。賭けている限り僕はこの試合場に準備を施す権利がある。そうでしょう。――もっとも幽霊学士を迎えるのは夕刻から早暁までの暗い時刻に限るわけだから、僕の註文する仕度は、今日の夕刻までに完成して頂けばいいのです。窓のカーテンは皆おろしてもらいましょう。電灯はつけないこと。諸官はこの部屋にいてもよろしいが、なるべく静粛にしていて、さわがないこと。いいですね、覚えていて下さい」

「おい古島刑事、お前に幽霊係を命ずるから、蜂矢君のいうだんどりをよく覚えていて、まちがいなく舞台装置の手配をたのむよ」

課長はついにそういって、老人の刑事に目くばせをした。

「はっ。だけど課長さん。これは一つ、誰か他へ命じて貰いたいですね。わしは昔からなめくじと幽霊は鬼門なんで……」

「笑わせるなよ、古島君。お前の年齢で幽霊がこわいもなにもあるものかね」

「いえ。それが駄目なんです。はっきり駄目なんで。……課長が無理やりにわしにおしつけるのはいいが、さあ幽霊が花道へ現われたら、とたんに幽霊接待係のわしが白眼をむいてひっくりかえったじゃ、ごめいわくはわしよりも課長さんの方に大きく響きますぜ。