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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁

青空文庫

隅っこの給仕席に二人は腰を下ろしているのだった。

「ほう、だいぶん暗くなって幽霊のでるにはそろそろ持ってこいの舞台になりましたよ」

蜂矢探偵が、じろじろとあたりを見まわし、すぐ前にいる課長にいった。

「そんなことは無意味さ。原子力時代の世の中に非科学きわまる幽霊などにでられてたまるものか」

課長は失笑した。しかしその声はいくぶん上ずっているように思われた。

「いや、とつぜん原子力時代がきてわれわれをおどろかせた如く、今日こそ幽霊というものを科学的に見直す必要があると――或る人がいっているんですがね」

「そんなことをいう奴は、よろしく箱根山を駕籠で越す時代へかえれだよ。蜂矢君、もし幽霊がでなかったら、君にはいいたいことがたくさんあるよ」

「そのときつつしんで拝聴しましょう。しかしその反対に幽霊がこの部屋にでてきたら、賭は僕の勝ですよ。そのときは課長ご秘蔵の河童の煙管を頂きたいものですがね」

河童の煙管というのは、課長が引出に入れて愛用している河童の模様をほりつけた、江戸時代の煙管のことであった。

「河童の煙管でも何でもあげるよ、君が勝ったときにはね」

「それは有難い。