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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地球盗難(ちきゅうとうなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 頁
この矢追村は、ウラゴーゴル星からときどき発射される、目に見えない特殊光線に照射され、その光線にひどく照らされた生物が、あのグロテスクな巨人病の犠牲になったのであろうことは、最早疑いのないところであった。生れもつかぬ巨人になった彼武夫少年の一生こそ、なんという悲惨なことだろう。
彼は、少年を慰めたいと思ったので、博士邸の跡を訪れた。あの厳然たる高塀は、月光に照らされて、奇怪なる黒い影を長く引いていた。大隅は見覚えのある小門の前に立って、鋼鉄製の扉を、洋杖の先でコンコンと叩いてみた。
「――おーい、誰ですか?」
「僕は――僕は大隅という者です」
「大隅さん。ああ先生だッ」
扉のうちからは、可愛い子供の声がした。そして扉はギイッと内側に開かれた。
「おお――」
そう叫んだまま、大隅学士は門の中から飛び出してきた可憐なる少年の顔を、呆れ顔にいつまでも見つめていた。
「大隅先生。僕、武夫ですよ」
「えッ、武夫君。武夫君なら、もっと身体が大きい筈だ」
「ええ先生、悦んで下さい。僕の身体は四五日前からだんだん小さくなって、とうとう元のようになったんです。まるで、夢みたいで嬉しくて仕方がありません。