輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
線上閱讀島崎 藤村《夜明け前(よあけまえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 205,629 字 · 408 頁
」
おまんは引き受け顔に答えた。
暮田正香は半蔵と同国の人であるが、かつて江戸に出て水戸藩士藤田東湖の塾に学んだことがあり、東湖没後に水戸の学問から離れて平田派の古学に目を見開いたという閲歴を持っている。信州北伊那郡小野村の倉沢義髄を平田鉄胤の講筵に導いたのも、この正香である。後に義髄は北伊那における平田派の先駆をなしたという関係から、南信地方に多い平田門人で正香の名を知らないものはない。
この人を裏の土蔵の方へ導こうとして、おまんは提灯を手にしながら先に立って行った。半蔵も蓙や座蒲団なぞを用意してそのあとについた。
「足もとにお気をつけくださいよ。石段を降りるところなぞがございますよ。」
とおまんは客に言って、やがて土蔵の中に用でもあるように、大きな鍵で錠前をねじあけ、それを静かに抜き取った。金網の張ってある重い戸があくと、そこは半蔵夫婦が火災後しばらく仮住居にもあてたところだ。蓙でも敷けば、客のいるところぐらい設けられないこともなかった。
「お客さんはお腹がおすきでしたろうね。」
それとなくおまんが半蔵にきくと、正香はやや安心したというふうで、
「いや、したくは途中でして来ました。