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ようかいはかせ

妖怪博士/青銅の魔人

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《妖怪博士/青銅の魔人(ようかいはかせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 212,920 字 · 421 頁

青空文庫

あの子どもとは、いうまでもなく、一ぴきの大コウモリにおさえつけられた羽柴壮二君のことです。いくらくやしいといって、羽柴君がうち殺されるのを見殺しにするわけにはいきません。明智探偵はさもざんねんそうに、無言のままピストルを賊にわたしました。小林君も、それにならって、懐中電灯を賊のほうへさしだしたのです。

二十面相は、ピストルと懐中電灯を受けとりますと、またげらげらと笑いだしました。

「ワハハハ……、探偵さん、二十面相の腕まえがわかったかね。じゃあきみたちはそこでゆっくり考えるがいい。一月でも二月でも、一年でも二年でも、ウフフフ……。」といったかと思うと、パッと懐中電灯を消して、そのままどこかへ立ちさっていくようすです。

あとにはただ、目がつぶれてでもしまったような、真のやみがあるばかりでした。そのまっくらやみの中に、バサバサと大きな鳥の羽ばたくような物音が聞こえるのは、あのぶきみな五ひきの大コウモリが、やはりどこかへ立ちさっていく物音にちがいありません。

少年たちが持っていた三個の懐中電灯は、とっくに、賊のために取りあげられていましたし、今また明智探偵の懐中電灯もわたしてしまったのですから、探偵と十一人の少年は、もうおたがいの顔を見る望みさえなく、ただ手さぐりでやみの中をはいまわるほかはないのでした。