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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《孤島の鬼(ことうのおに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 頁
これは両親が不幸な不具者である所から、一層痛切にその必要を感じる訳で、例えば手や足のない片輪者には、義手義足の代りに、本物の手足を移殖して、完全な人間にすることも出来るという様な、素人考えも混っていたのだ。
別段悪いことでもないし、若しそれを拒絶したら学資が途絶えるので、僕は何の考えもなくこの申出を承諾した。そうして、僕の呪われた研究が始まったのだ。基礎的な学課を一通り終ると、僕は動物実験に入って行った。鼠だとか兎だとか犬などを、むごたらしく傷けたり殺したりした。ギャンギャン悲鳴を上げ、もがき苦しむ動物を、鋭いメスで切りさいなんだ。僕の研究は主として、活体解剖学という部類に属するものだった。生きながら解剖するのだ。そうして、僕は沢山の動物の片輪者を作ることに成功した。ハンタアという学者は鶏のけづめを牡牛の首に移植したし、有名なアルゼリアの「犀の様な鼠」と云うのは、鼠の尻尾を鼠の口の上に移植して成功したのだが、僕もそれに似た様々の実験をやった。蛙の足を切断して、別の蛙の足を継いで見たり、二頭のモルモットを拵えて見たりした。脳髄の入替えをする為に、僕は何匹の兎を無駄に殺したことだろう。