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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《孤島の鬼(ことうのおに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 181,795 字 · 359 頁

青空文庫

私達は刑事に向って、この島に来るまでの、又来てからの、一切の出来事を、かいつまんで話した。

「何ぜ警察の助けを借りなかったのです。君達の苦しみは自業自得というものですよ」

私達の話を聞いた刑事が、最初に発した言葉はこれであった。だが、無論微笑しながら。

「悪人の丈五郎が、僕の父だと思い込んでいたものですから」

道雄が弁解した。

刑事は一人ではなかった。数人の同僚を従えていた。彼はその中の二人に命じて、地底に這入り、丈五郎と徳さんとを連れてくる様に命じた。

「しるべの縄はそのままにして置いて下さい。金貨を取出さなければなりませんから」

道雄がその二人に注意を与えた。

池袋署の北川という刑事が、例の少年軽業師友之助の属していた、尾崎曲馬団を探る為に、静岡県まで出掛け、苦心に苦心を重ね、道化役の一寸法師に取入って、ある秘密を聞出したことは先に読者に告げて置いた。その北川刑事の苦心が効を奏し、私達とは全く別の方面から、遂にこの岩屋島の巣窟をつき止め、かくは諸戸屋敷調査の一団が乗込むことになったのであった。

刑事達が来て見ると、諸戸屋敷で、男女両頭の怪物が烈しい争闘を演じていた。