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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

線上閱讀喜田 貞吉《差別の根源を考える(ぞくほうしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 頁

青空文庫

みると、たいていは陰陽師または神子の徒か、しからずば職業上彼らと関係ある人形使いなどで、中には興福寺の唱門の如く普請の工事に出たり、夙やエタや悲田院の非人の如く、罪人を預かって番をしたものもある。しからばよしやサンジョの名が伝わっていなくても、職業上右の徒と同じ流れを汲むものの中にはかつてサンジョと呼ばれたものの他にも多かったことを想像してしかるべしであろうと思う。したがってこの江戸時代の実際をのみみる時は、柳田君がその文字の算所とあるところに目をつけられて、陰陽師の算の方に解説を求められたのはごもっともである。沼田君から示された見聞録にも、「勘定致候処也」など説明してあるのである。そして『賤者考』などが産所の文字から、産小屋の地に渡り陰陽師や渡り巫の徒の住みついたと解したのにも、また確かに一往の理屈はある。自分が他のサガリ者の傍例からして、婦人を家族の表役者とする神子筋のものをもって、もととりあげ業を営んだものだと想像してみたのにも、また幾分の同情を払ってもらわねばならぬ。

しかしながら、だんだん材料を古いところに求めてみると、これらの諸説は遺憾ながらいずれも成立すべからざるものなることを承認せざるをえなくなる。