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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

線上閱讀蘭 郁二郎《怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 頁

青空文庫

が出来ますね。

――では、私があなたと(あなたも毎日のようにここに来られるようですが)繁々と逢うというのは、何か特別なワケがあるんですかネ。

――ええ、そうです。私はあなたに感謝しているのです。街に道に充ち溢れた見知らぬ顔の中に、期せずして毎日あなたと逢うということは、非常に心強く思えるのです。

原は、そういって莨を出すと無理に洋次郎に奨めるのであった。

――あなたは友人を訪れた時、若しその友人が不幸にして不在であった、としたら、非常にガッカリした、空虚な気持になるだろうと思います。心弱い私には、この見知らぬ顔に取巻かれた気持が、堪えられないのです。

洋次郎は燐寸をとって、パッと擦った。原はそれを見ながら、突然、

――ところが、僕はその気持が大好なんで、

――?

洋次郎は原が急にぞんざいな言葉で、変なことをいうので吸いかけた莨を、思わず口から離した。

原はビクッとするように狼狽して、

――いやいや、騒然たる中の空虚、織る人込の中にこそ本当の孤独があるのです。恰度紺碧の空の下にのみ漆黒な影があるように、……

ダガ、洋次郎は、もう答える事が出来なかった。