輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《或る少女の死まで 他二篇(あるしょうじょのしまで)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,554 字 · 228 頁

青空文庫

そんなとき、私は嬉しかった。

「道を忘れないで帰って来い。きっと来い。」

私は大工が持ってゆくときに、心の中でつぶやくのであった。

姉は、

「あんなになついたんだから置いてやったらどうでしょう。」と母に言ったりした。

「でもお実家の犬だし、何だか気味がわるくてね。」と言っていた。そして私には、

「あんまりシロシロって可愛がるから家から外へ行かないんだよ。」と、小言をいっていた。

けれども私はシロを愛していた。

ある寒い雪の晩方のことであった。私はだんだん暮れ沈んで雪が青くなって見える門の前で、いつまでも歇むことのない北国の永い降雪期を心で厭いながら、あの何ともいわれない寂しい音響という音響のはたと止んだ静かな町を、寒げに腰をまげて縮んだように行く往来の人を眺めていた。近在の人であろう。みな急がしげに、しかも音のない雪道を行くのを得もいわれず淋しく見送っていた。どの人を見ても痩せて寒げであった。

私はふと気がつくと、白がぐったり首垂れて、しかも耳から鮮血を白い毛並のあたりに、痛痛しく流しながら帰って来るのを見た。私はかっとなった。

「シロ! 誰にやられたのだ。