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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《或る少女の死まで 他二篇(あるしょうじょのしまで)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,554 字 · 228 頁

青空文庫

ねえさんには内しょだよ。」

「ほんとう。」

「本当なの。」

「まあ嬉しい。あたし気にかかってしようがなかったの。」と神経的に言う。

私はお孝さんと姉とは別々に考えていた。お孝さんには、姉さんと異ったものがあった。つまり「可愛さ」があって姉さんにはかえって「可愛がられたさ」があった。

「あたしね。もうずっとさきから問おうと思っていたの。」

「そう。じゃお孝さんは僕の一番仲よしになって貰うんだ。いいの。」

「いいわ。一番仲宜しよ。」

そのとき姉の高い声がしていた。呼んでいるらしかった。私も大声で応えた。

私達は助け合って、姉のいるところへ行った。

「まあ私ほんとに心配したよ。何していたの。」

「絵馬の古いのや、天狗の面などどっさりあったの。おもしろかったわ。」と、お孝さんが言った。

私はすこし気まりがわるかった。姉が何も彼も知っていはすまいかという不安が、ともすれば私の顔を赧めようとした。けれども姉は何もしらなかった。

「私どうしようかと思っていたの。これからあんな恐いとこへ行かないでいて頂戴。」と姉は私にいった。

「これからは行かない。」と誓った。

「お孝さんもよ。」と姉は注意した。