輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《或る少女の死まで 他二篇(あるしょうじょのしまで)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,554 字 · 228 頁

青空文庫

私はそういう姉の使用物をみるごとに、姉恋しさを募らせた。

私はある日、雪晴れのした道路をシロをつれて、いそいで行った。私はひそかに姉の嫁った家の前を通りたいためでもあった。川べりの前栽に植え込のある、役員の住みそうな家であった。

二階は障子がしまってあった。家じゅうがしずかでしんみりしていて、姉の声すらしなかった。私は、わざと犬にワンワン吠えさせたりした。それでも姉が留守なのか、一向人の出てくるけはいがしなかった。私は、なお強く犬を啼かせた。二階の障子が開いた。そして姉の顔があらわれた。

姉は「まあ!」と口籠るように吃驚して、手まねで今そこへゆくからと言った。シロは永く見なかった姉の顔を見ると、急に元気づいて前足を折って巫山戯るようにして高く高く吠えた。

姉は出てきた。

「まあ、よく来たのね。すっかり忙しくてね。ごめんなさいよ。」

私は姉の顔を見ると、もう涙ぐんでじっと見詰めた。姉はすこし瘠せて青ざめたような、乾いた顔をしていた。

「僕、来てはわるかったかしら。」

「いえ。わるくはないけど、お母さんからまたつまらないことを言われるといけないから、こんどから来るんじゃないのよ。