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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁

青空文庫

京商人の油屋小金は、まさか兵家常習の策略とは思わず、もしこれが成功すれば、北陸の商権は、両家の縁によって、自分の一手に占められる――と、かれはかれの野心のもとに、両家のあいだを、奔走した。

ついに、利家の次子利政と、佐々成政のむすめとの、婚儀の約は、実現した。

成政の口上としては、

(自分もやがて五十にもなるが、いまだに嗣子がない。もし、御次男を、ひとり娘の婿にもらえるなら、時を見て、自分は隠居し、跡目を若いふたりに任せたい)

と、いうにあった。

利家の、承諾の言は、

(もし、両家が不和を解いて、事実に、和を示せば、たれよりも、北陸一円の庶民がほっとするだろう。同慶にたえないことだ)

ということで、応じたのである。

夏。――七月の末。

成政の臣、佐々平左衛門は、結納の使者として、富山をたち、金沢の尾山城へ来た。

前田利家は、全城の家中をして、

「ようぞ、遠路を」

と、いんぎんを尽して、迎えさせた。

下へもおかない歓待である。夜は、散楽を催して、やがての聟の君たる次男の利政にも、客のまえで舞わせて見せ、昼も、饗膳の美をつくし、やがて帰国の朝には、

「いたらぬ利政であるが、富山の城へまいったあとは、何かと、お身たちの、心添えをたのみ申すぞ」