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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 頁
と、指揮をとった。
民家に火をつけて、城外へ迫る。乱破をつかって、流言を放つ。
侵入者の常套手段だ。
城内の驚きは一通りではない。
もちろん、これより少し前に、城門へ急変を報らせて来た二、三の農夫があり、すわ、と煮えくり返るような騒音の中に、戦備をいそいでいたが、
「やや、もう敵が見える」
「城下を焼き立てておるぞ」
と、何をする間もなかったのである。
このとき、末森城の守将、奥村助右衛門永福は、あわて騒ぐ家中のなかを、一巡して、
「きょうも日頃ぞ。日頃もきょうぞ。――なにを、事改まって、立ち騒ぐのじゃ。常々の部署、教練の通りに、することをしておればよいのだぞ」
と、一応、その狼狽をとり鎮めてから、
「はるかに、山また山を越えてきた佐々の軍勢。おそらくは、まだ、瀬ぶみ程度で、真の備えは、取れていまい。――一当て、当てて、かれの攻勢を試してみん」
自身、一手の兵を引率して城門を出、町口まで殺出した。
たちまち佐々方の先鋒と、真正面にぶつかった。
助右衛門の連れて出た三好勘左、野瀬二郎などの若者は奥村家のうちでも、精鋭無比といってよい。
「ござんなれ。山犬ども」