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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 頁

青空文庫

などと改まって、席を辷るなり、慇懃の礼を執ってみたりしていた。

「さあさあ。お寛ぎあって」

と、秀吉は早速にも、戦場のはなしである。

また、少し見ない間にも、安土の町とその文化が、長足な進歩を遂げているには驚いた――などと座談に興じ入ろうとする。

「いや、実はその」

と、菅屋と堀のふたりは、辛くも、ことばをさしはさんで、

「今日は、右府様の御内意をもたらして、お使いに参ったのでござれば」

いうと、秀吉は、

「や、や。わが君のお使いとして渡られしか。――粗略、粗略」

と、あわてて席をすこし下がって坐り直し、

「まだ、お届けのみに止めて、自身御挨拶にも罷り出ぬ間に、君より先へお使いを賜わって、怠慢、申しわけもござりませぬ――。して、御内意とは」

「いや、恐縮なさるには及びません。右府様にも、お待ちかねのこと、かたがた、其許との御対顔を、非常なおたのしみとしておらるるらしく、明朝、筑前が登城のみぎりには、こう饗応せい、こうもてなせと、御自身、おさしず遊ばすような次第です。――で、明日の御予定などもあらかじめ伺っておきたいと存じて」

「それはそれは、身に余ることです。