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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
で、誰もが、軽忽に口をひらくべきでないとして――じっと、沈黙をまもったまま、およそ大勢の定まるのを見ようとしているふうであった。
勝家は根気よく一同の慎黙を慎黙にまかせておいた。さもあろうと、およそはこの場の成行きを予察していたもののようである。そしておもむろに威儀をあらためて口を切った。
「方々に別しての御意見とてなければ、さしずめ、宿老として、この方が愚存を申しのべるほかおざるまいが……」
その時、上座にあった神戸信孝の容子に、ふと顔いろのうごくのが見えた。勝家の眼は、秀吉にそそがれ、秀吉は、滝川一益の姿と、信孝の容子とを、見くらべていた。
微妙なうごきが、一瞬、心から心へ眼に見えぬ波長を立てた。清洲一城、人なきかのような、異様な緊張としじまの中にである。
「この勝家が見奉るところでは、三七信孝様こそ、実に実にお年ばえと申し、生来の御器量、お跡目として、申し分なきお生れと存じ上げる。惑いなく、三七様をこそと、この方はすでに心に定めており申す」
ずばとした発言だった。というよりも宣言といったほうに近い。勝家はすでに、牛耳を取ったものと観たのだ。ところが、