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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 頁
ほとんど敵中にあるといってよいこの二基地を、戦う前に足場となし得るのは、作戦にも運輸糧食の上にも、大きな利といわなければならない。
で、当然、ふたりは、自分らが秀吉の陣門に参会してゆけば、秀吉としても、待っていたという顔まではしなくても、
――よくぞ、早く。
と、迎えもし、歓びもして、歓待を示すであろうと思っていたらしい。
ところが、案のほか、いまはお寝み中だからしばらくお待ち下さい、と陣門の将士はいうのである。それもよいが、寺内ほとんど人馬で、待つ間を休息している特別の設けもない。
中川瀬兵衛も、高山右近も、兵を外におき、伴れて来た質子と少数の従者と共に、境内の一隅に佇んでいるしかなかった。
ただ、その間も、時を忘れて眺められていたのは、後から後からと到着して来る遅れ馳せの軍馬に見える旺んな流汗であった。後に大村由己が記録にも、
――諸卒相揃ハズト雖モ、九日ニ姫路ヲ立チ、昼夜ノ境モナク、人馬ノ息ヲモ休メズ、尼ヶ崎ニ至ル。
とある秀吉の文字通りな急行軍のために、途中で落伍したものが、ひきも切らず、続々と、まず門前に来て、
「何の某、ただ今、着陣」
と、呼ばわると、これに立っている蜂須賀、森の二将が、どの辺に屯して命令を待てとか、また、誰の部隊が彼処におるから、その手について休めとか、いちいち指さして、それら