輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁

青空文庫

ぬのじゃ」

「ほ! では寧子どのには、その縁談を、嫌だと、仰っしゃるので?」

「嫌とも、親に対して、よういわぬが、よいとは決して申さぬのだ。……まあ、嫌なのだろうな」

「うむ。なるほど、なるほど」

「――ところで、困っているのは、その縁談の儀でな」

又右衛門の眉には、話しているうち、かなり心痛らしいものが見えて来た。

つまり問題は、武士の一言――ということなのである。

又右衛門は、平常から、前田犬千代には傾倒していた。将来ある青年と見ていた。その犬千代から、

(――寧子どのを妻に)

と、求められたので、彼は一も二もなく、娘よりは自分が先に、歓んでしまったのである。

手がらでもしたような気で、

(――どうじゃな。またとない聟だろうが)

と、寧子に告げると、彼女の顔いろは、案に相違して、少しも楽しまないふうだった。むしろ愁いの色すら濃い。血は同じでも、人生の伴侶を選ぶについては、父娘でも見解の相違のぜひないことが、とたんにはっきり分った。

だが、ここにおいて。

又右衛門の立場はない。

親としても、武士としても、犬千代に対して、合わせる顔はない。

犬千代のほうでは、