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ほしのくんのにるいだ

新版・星野くんの二塁打

吉田 甲子太郎

線上閱讀吉田 甲子太郎《新版・星野くんの二塁打(ほしのくんのにるいだ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 10,945 字 · 22 頁

青空文庫

だが、その金をどうやってつくったらよかろうか。

二十四日の午後であった。

今にも雪が落ちてきはすまいかと思われる空の下を、五、六人の小学生がガヤガヤ話しながらやってくる。光吉も内藤もその中にいた。午前は終業式で通信簿をいただき、午後あらためて、新年拝賀式の式場の準備のお手つだいにいった帰りなのだ。かれらの学校は、まだ出来て間がないために、講堂の設備がなかった。だいじな式や学芸会のときには、二階の教室を三つぶちぬいて、臨時に会場をつくることになっていた。かれらはワイワイさわぎながら、机をかたづけたり、演壇をきずいたりしてきたあとなので、まだなんとなく気持ちがはしゃいでいた。

林のはずれを右へまがって、大通りへつづく横町まできたとき、陽気な楽隊の曲が流れてきた。

「わァい、楽隊だ。」

いちばんに内藤がかけだした。みんな負けずにドッと走った。

大通りへ出てみると、もうすぐそこまで、赤いのぼりを先頭に立てたひろめ屋の一隊が進んできている。長いささ竹と門松を立てならべ、しめをはりわたした通りのまん中を、いつも見かけるマーケットの楽隊がねり歩いているのだった。