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しんせい

新生

島崎 藤村

線上閱讀島崎 藤村《新生(しんせい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 頁

青空文庫

六

「へえ、あなたにも一つ」

そういう場合の節子には、言葉にも動作にも、彼女に特有な率直があった。

「さあ、繁ちゃん、お蜜柑もって、おねんねなさい」と節子は子供に添寝する母親のようにして、愚図々々言う繁の頭を撫でてやりながら宥めた。

「叔父さん、御免なさいね」

こう言って子供の側に横に成っている節子や、部屋の内を取片付けている婆やを相手に、岸本は長火鉢の側で一服やりながら話す気に成った。

「これでも繁ちゃんは、一頃から見るといくらか温順しく成ったろうか」と岸本が言出した。

「一日々々に違って来ましたよ」と節子は答えた。

「そりゃもう、旦那さん、こちらへ私が上った頃から見ると、繁ちゃんは大変な違いです。お節ちゃんの姉さんがいらしった頃と、今とは――」と婆やも言葉を添える。

この二人の答は岸本の聞きたいと思うものであった。彼はまだ何か言出そうとしたが、自分で自分を励ますように一つ二つ荒い息を吐いた。

六

「厭、繁ちゃんは。懐へ手を入れたりなんかして」と節子は母親の懐でも探すようにする子供の顔を見て言った。「そんなことすると、もう一緒にねんねして進げません」

「温順しくして、おねんねするんですよ」