輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんせい
新生
島崎 藤村
線上閱讀島崎 藤村《新生(しんせい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,815 字 · 663 頁
七十五
忍ぼうとすればするほど意地の悪い涙が後から後から流れて来て、終には御不興を受けたようであったが、どうぞすべての失礼を許してくれ、母としての自分の切な心を汲んでくれ、と書いてよこした。節子が自分の生んだ子供を思う心を直接に岸本に打明けたのは、それが初てであった。彼女は手紙の中の宛名をも今までのように「叔父さん」とは書かないで、「捨吉様」と書くほどの親しみを見せるように成った。同族の関係なぞは最早この世の符牒であるかのように見えて来た。残るものは唯、人と人との真実があるばかりのように成って来た。
七十五
「恋ふまじきおきてもあらで我が歩むこゝろの御国安くもあるかな
かゞやける道あゆみ行く二人なり鴛鴦のちぎりもなど羨まむ
我がをしへしのぶにいともふさはしき春さめそゝぐ夕ぐれの窓
夕ぐれの窓によりては君おもふわれにも似たる春のあめかな
君をおもひ子を思ひては春の夜のゆめものどかにむすばざりけり
いくとせか別れうらみし我身にもまたとこしへの春は来にけり
萌えいでし若葉にそゝぐ春さめをかなしきものと思ひ初めけり
君まさむ船路はるかにしのびつゝ聞きし雨ともおもほへぬかな