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くうきぽんぷ

新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ

新美 南吉

線上閱讀新美 南吉《新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ(くうきぽんぷ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 41,209 字 · 85 頁

青空文庫

「ひとりたらん。」そう気の毒そうにいった。

「だれだ、だれだッ。」

と先頭の徳一君が、汗で、川からあがったばかりのようにぬれた顔を殺気立ててどなった。

だがみんなは、決勝点についたという思いでもう気力がぬけ、ぽうとしていた。もう何も考えられなかった。はやく腰をおろしたいばかりであった。

大作君たちは楡の大木のかげにいって休み、やがてだんだん元気がかえってきた。そしてそれまでに、落伍したのは大頭の吉太郎君であることがわかった。稲荷社の前で赤旗をまわるとき三組ばかりいっしょになってもみあったが、あのときのどさくさで、吉太郎君が落ちたことをだれも気づかなかったのだろう。受持ちの鈴木先生は自転車を借りて吉太郎君をむかえにいった。道ばたにへたばっているかも知れないからだ。

大作君たちの隣りの控席に帰ってきたよその学校の組の中で、ひとりのふとった少年があおくなってのびた。ふたりのつきそいの先生は、それ水を持ってこい、それ扇であおれ、と大さわぎをしていた。本部のテントの中から、急をきいて、白い服の看護婦や女の先生が飛んできた。えらいことになった、と大作君たちは思った。