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にほんイデオロギーろん

日本イデオロギー論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《日本イデオロギー論(にほんイデオロギーろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 263,376 字 · 511 頁

青空文庫

普通彼はイギリス経験論(その代表的な源泉はジョン・ロック)に反対して立ったと考えられている。ロックが人間の心を白紙の如きものになぞらえたことから、イギリスに於ては、心理学では連想心理学が、認識論では各種の主観主義的懐疑論が、結果する。この前提と帰結とに反対することが、なる程リードの主な意図であったように見える。彼はシャフツベリ卿やハッチスンから来る審美的倫理的な疑うべからざる直覚の権威を、人間の心一般の問題にまで徹底させるべく、経験主義に対立したのだということに間違いはない。だがリードは決して大陸のラショナリストが直観主義者であった(例えばデカルト)ような意味で、反経験論的な直覚主義者であったのではない。彼が直覚主義に赴いたのは、却って正にイギリス風の経験主義の一つの必然的な帰結としてであって、単に所謂経験論的な経験(外的経験)が、内的経験にまでおきかえられた処の、云わば内的経験論乃至は内的経験主義に他ならないということを注意しておかなくてはならぬ。ここで相変らず大事な根拠として挙げられるものは、経験主義風の「事実」であって、ただその事実が内的な事実でなければ本当の事実とは考えられないというまでなのである。