輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ほんじょりょうごく

本所両国

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《本所両国(ほんじょりょうごく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,005 字 · 43 頁

青空文庫

しかし今日の大川の上に大小の浪を残すものは一々数えるのに耐えないであろう。

僕は船端に立ったまま、鼠色に輝いた川の上を見渡し、確か広重も描いていた河童のことを思い出した。河童は明治時代には、――少なくとも「御維新」前後には大根河岸の川にさえ出没していた。僕の母の話によれば、観世新路に住んでいた或男やもめの植木屋とかは子供のおしめを洗っているうちに大根河岸の川の河童に脇の下をくすぐられたということである。(観世新路に植木屋の住んでいたことさえ僕等にはもう不思議である。)まして大川にいた河童の数は決して少なくなかったであろう。いや、必ずしも河童ばかりではない。僕の父の友人の一人は夜網を打ちに出ていたところ、何か舳へ上ったのを見ると、甲羅だけでもたらいほどあるすっぽんだったなどと話していた。僕は勿論こういう話を恐らく事実とは思っていない。けれども明治時代――或いは明治時代以前の人々はこれ等の怪物を目撃する程この町中を流れる川に詩的恐怖を持っていたのであろう。

『今ではもう河童もいないでしょう。』

『こう泥だの油だの一面に流れているのではね。――しかもこの橋の下あたりには年を取った河童の夫婦が二匹今だに住んでいるかも知れません。