輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ほんじょりょうごく

本所両国

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《本所両国(ほんじょりょうごく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,005 字 · 43 頁

青空文庫

回向院

僕は比留間先生に張り倒されたことを覚えている。それから宗先生に後頭部を突かれたことを覚えている。それから葉若先生に、――けれども僕の覚えているのは体罰を受けたことばかりではない。僕は又この小学校の中にいろいろの喜劇のあったことも覚えている。殊に大島という僕の親友がちゃんと机に向ったまま、いつかうんこをしていたのは喜劇中の喜劇だった。しかしこの大島敏夫も――花や歌を愛していた江東小学校の秀才も二十前後に故人になっている……

国技館の隣に回向院のあることは大抵誰でも知っているであろう。所謂本場所の相撲もまだ国技館の出来ない前には回向院の境内に蓆張りの小屋をかけていたものである。僕等はこの義士の打ち入り以来名高い回向院を見るために、国技館の横を曲って行った。が、それもここへ来る前にひそかに僕の予期していたようにすっかり昔に変っていた。

回向院

今日の回向院はバラックである。如何に金の紋を打った亜鉛葺きの屋根は反っていても、ガラス戸を立てた本堂はバラックという外は仕かたはない。僕等は読経の声を聞きながら、やはり僕には昔馴染みの鼠小僧の墓を見物に行った。墓の前には今日でも乞食が三、四人集まっていた。