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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

線上閱讀大鹿 卓《渡良瀬川(わたらせがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 280,528 字 · 557 頁

青空文庫

第二章

さらに二十一年末、古河が仏蘭西に勃ったシンジケートの世界的の銅買占に応じて三カ年間に一万九千噸提供の契約をむすぶに及んで、足尾の操業はまた一段階を飛躍した。この間に間藤発電所が竣工されたが、それでもなお遠からず動力の不足を来すおそれがあるほどだった。すなわち二十二年には八百余万斤、二十三年には九百七十余万斤、二十四年には一千二百七十余万斤という産銅額の数字によっても、その急速な発展ぶりを覗うことができる。

第二章

明治二十四年十一月、第二議会のために上京中であった田中正造は、開院式のあった翌日の二十七日に、日本橋八重洲河岸の旅館みつよしで突然父の訃報に接した。そこで倉皇として栃木県旗川村小中の実家へ帰り、二十九日には埋葬のことをすませた。父庄造は享年七十七、正造は五十一歳であった。

村道に面して建てられた隠居所の一室には、仏壇の前に一基の新しい白木の位牌がすえられ、供花の黄菊が強くにおっていた。それを照らす蝋燭の火が、まだそのあたりに、死者の存念が残っているとばかりにゆらゆらと揺れていた。隣室の煤けた畳の上には、一昨日まで父の庄造が病み衰えた痩躯をよこたえていたのだし、まだ今日の昼間まではその棺がおかれていたのである。