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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
線上閱讀大鹿 卓《渡良瀬川(わたらせがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 280,528 字 · 557 頁
なお諸君に於かれても、今後は何度でも当省に出頭して督促されるがよい。それはいっこうに差支えない。私もできるだけ何度でも諸君と面会するようにするつもりである」
「閣下はさきほど被害の大なることは認めていると申されましたが、鉱業中止の御決断がつかぬのは、失礼ながらまだ被害地の実地を御らんにならぬからだと思います。ともかくも塗炭の苦しみをしている人民が十万もあるのに、大臣が御巡視もなさらぬのは不親切としか思われません」
野口が決然といい放った。榎本は沈痛な目差しを投げて、
「よくわかった。巡視のことも、私は考えていないのではない。では、今日はこれで――」
言葉を切ると、榎本は軽く会釈して壇を下り、扉の方へ歩みだした。秘書官があわてて走り寄って扉を開け、鉱山局長はじめその後について廊下へ姿を消した。後に残された総代たちもわれに返って、無言の裡に椅子を離れた。
壁間の時計が一時四十分を指していた。誰の胸にも一抹の物足りなさが残った。だが、自分たちの訴えを大臣が聴いてくれたことに、強いて一縷の望をかけようとする顔付だった。
彼等がぞろぞろと農商務省の門をでてくると、その門前の往来に尻を下して、大勢の者が青黒い痩せた顔を薄陽に晒していた。