輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

線上閱讀大鹿 卓《渡良瀬川(わたらせがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 280,528 字 · 557 頁

青空文庫

岩槻で帰郷する一隊と袂を分って出京した人々は、従来の在京委員と相たずさえて、二十七日の午前農商務大臣を訪問した。榎本は彼等の陳情を、両眼を湿ませながら懇にきいていたが、

「私は谷子爵や津田仙、高橋秀臣の諸君からも実情を聴いていたし、また先日は津田君とともに被害地を視察して、ききしにまさる惨状に驚いて帰った。これは棄ておくべからずと思ったから、内務、大蔵両大臣とも協議して、閣議にも持ちだし、調査委員の任命という運びにもなった。遠からず、必ず何分の処置があるだろうから、どうか諸君もこれを諒とされたい。……」

榎本の言葉は率直で、責任を痛感していることを包もうとする様子もなかった。

その夕刻、津田が農商務大臣の官邸を訪ねると、玄関に馬車がつけてあって、榎本が乗りこもうとするところであった。津田は目ざとく馬車の中の軸物などに目をつけ、驚いて榎本の顔を見返した。

一昨日の朝、津田が面会したときのこと、榎本は話の途中でにわかに真摯な顔付をして、卒然とこえをひそめて辞意を洩らした。津田は、鉱毒事件の解決するまでは是非とも留っていてもらわねばならぬといって、しきりに翻意を促した。